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である。石狩平野と根釧台地は酪農の中心地域である。日本の家畜飼育頭数は?メリカやオーストラリ?などの国と比べれば、きわめて少ない。これは、日本の国土が山がちで牧場にあてられる土地が狭いこと、できるだけ多くの土地を米を主とする食糧の生産にあてたので、牧草地や草地ができなかったこと、日本人が動物性蛋白質を主に魚類に求めてきたことなどによる。しかし、近年は、食生活が変化し、肉牛?乳牛?豚?鶏の飼育が著しく増加している。日本は、農業の経営規模が小さく、家畜の飼料を自給することは難しいが、その中で、北海道には、約40万ヘクタールの牧草地があり、日本の牧草地全体のおよそ4分の3にあたる。しかも、その大部分は牧場になっており、牛や馬が放し飼いにされている。 北海道は、割合広い牧草地がある上に、気候が涼しいので、酪農に向いた土地である。酪農は、初めは石狩平野が中心であったが、今は根釧台地が中心地域となり、北海道庁の援助もあって、パイロットフ?-ムやさらに規模の大きい酪農村の建設も進んでいる。農家は、夏は乳牛を放牧するが、冬は大きなサイロに貯えた飼料を与えて、家畜小屋の中で飼う。今では、北海道は、日本最大の酪農地域となり、乳牛の頭数は、日本全国の30%以上を占めている。とれた牛乳は森永?明治などの工場でバター?チーズ?練乳?粉ミルクなどに加工され、日本全国に送り出されている。一方、北海道の酪農の発展にも問題が多い。酪農は規模を大きくするほど多くの資金が必要で、そのため借金が増えやすい。また、乳製品は安い輸入品との競争が激しく、有利な生乳のままで大都市へ出荷するためには、輸送費が高くつくことや鮮度を保つうえでの問題も多い。
水産業は北海道で最も早く開けた産業であり、漁獲量が極めて多い。北洋漁業も発達を遂げているが、第二次世界大戦後、国際的な制約を受けている。旧ソ連が占領している千島列島には、日本固有の領土があるので、日本はその返還を主張している。北海道の近海は大陸棚が広く、世界の3大漁場の一つになっている。鱈?烏賊?鮭?鱒?蟹?昆布などがとれ、その漁獲量は、日本全体の30%以上を占めている。北海道には、およそ250の漁港がある。主な漁港には函館?釧路のような遠洋漁業の根拠地となる大きな漁港をはじめ、稚内?紋別?根室?小樽などがある。京浜などの大消費地に遠いので、水揚された魚の多くは、冷凍品や缶詰?干物などに加工され、各地に送り出される。
北海道の太平洋側の沖には、暖流の日本海流が流れ、また、西部の海岸沿いにも、暖流の対馬海流が流れている。寒流には、千島列島から南下してくる千島海流と、日本海側の沖を流れる、リマン海流とがある。潮境と呼ばれる暖流と寒流が触れ合う所には、魚の餌が多いので、魚が沢山集まる。世界で有名な漁場は、いずれもこのような所にある。遠洋漁業の中で最も盛んなのは、鮭?鱒漁業である。5月ごろ、大漁業会社の母船を中心に、独航船が30隻ぐらいで船団を組み、函館?釧路?根室の基地から出航し、?ラスカやカムチャッカ半島の沖まで行き、8月ごろまで活動する。独航船には、東北地方などの漁業者も加わり、とった魚は契約に基づいて母船に売る。母船はこれを船内の工場で冷凍や塩漬けにするほか、缶詰にもする。
そのほか、北方四島(歯舞諸島、色丹島、国後島、択捉島)の周りには昆布?鱈?鮭?蟹?ほたて貝などの海産物があり、水産資源の宝庫である。
北海道は日本では最も重要な石炭産地である。石炭の質も良く、埋蔵量も多いので、生産量は日本全国の約6割を占めている。中でも石狩炭田は北海道で一番大きい炭田である。この炭田には、夕張新鉱?幌内?芦別などの大きな炭鉱があって、北海道の石炭工業の中心地になっている。しかし、外国から安い石油が大量に輸入され、石炭の需要が減っているため、北海道でも炭鉱があいつぎ閉山された。
北海道にはまだ大規模な工業地帯は成立していない。しかし、農産物を原料とするものには甜菜糖工場、乳製品工場、ビール工場、澱粉工場などがある。その中で、乳製品とビールの生産は全国に市場を独占的企業に発展している。また、豊かな木材を原料として、製紙、パルプ工業も盛んで、苫小牧は日本の代表的な製紙工業都市になって、釧路?旭川?江別にも大きな製紙工場があり、全国の新聞用紙の約半分は北海道で生産されている。その他、函館にはセメント工場、札幌や小樽にはゴム工場がある。重化学工業では、室蘭の製鉄、函館の造船、砂川の化学肥料などを除いては、全体に遅れている。近年、苫小牧に自動車工場もできている。また、函館?室蘭は北海道の造船工業の中心にもなっている。現在、北海道では札幌、室蘭、苫小牧を中心とする工業地帯を建設することを目指している。
札幌は北海道道庁所在地で、道の政治、経済、文化の中心地で、日本の十一大都市の一つで、現代の国際都市になって、有名な国立北海道大学(旧帝国大学)が札幌市の中心地に位置している。札幌のほかに函館、旭川、小樽、室蘭、釧路、網走、帯広などの中小都市がある。小樽、苫小牧、函館などは港町で本州の各地と結ぶフェリーが走っており、千歳は北海道の空の玄関である。北海道には国立公園が五つもあって、自然美を誇る観光地が多い。その中で、知床、阿寒、大雪山、支笏洞爺湖や登別温泉などが最も人気をひくものである。
北海道には?イヌ民族がいる。?イヌはもともと狩猟や漁労を行う民族で、鮭?鹿?などの肉を食べて生活し、農耕はほとんど知らなかった。ところが、本州から人々が北海道へ渡るようになってから、こうした?イヌの生活は、大きく変わっていたのである。現在、?イヌ人の暮らしは普通の日本人とほとんど同じである。
東北地方は、本州の最北端にあり、南北に長く広がっている。奥羽山脈を境として、太平洋側と日本海側とに分けられるが、南と北とでは、気温の差や京浜への距離の差が大きく、南部と北部に分けることもある。東北地方には青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島の6県がある。東北地方の面積は全国の五分の一近くを占めているが、人口はわずか全国の十分の一ほどであり、人口密度は北海道に次いで低い。
工業人口が少なく、農業、特に米作りによって生活する人が多い。
東北地方は、本州の北部にあって、北は津軽海峡を隔てて北海道の渡島半島と向かい合い、南は関東地方、南西は中部地方の新潟県に続いている。東北地方は、昔「みちのく」と呼ばれていた。これは道の奥の行き止まりという意味で、早くから文化の開けた近畿地方から見て、遠くの国の果ての地方として名付けられたものである。江戸時代には、農林業の開発が進んで稲作が盛んになり、多くの鉱山も開かれた。第二次世界大戦後、食料生産と資源を開発することが急務となり、特に農業の改良に力が注がれたので、東北地方は日本でも有数の米の大産地となり、全国生産量の約4分の1以上を占めている。最近では、交通の整備や資源の開発が進み、南部では工場が増え、産業活動が活発になり、生活も近代的になってきた。
東北地方は中央を南北に連なる奥羽山脈によって、太平洋側と日本海側とに分けられ、太平洋側には起伏の緩やかな北上?阿武隈の2山地が並び、日本海側にはなだらかな出羽山地と、三国山脈に続く険しい越後山脈とがある。奥羽山脈には那須火山帯が、出羽山地と越後山脈には鳥海火山帯が重なっている。 奥羽山脈は日本一長い山脈で、500キロもあり、東北地方の中央に連なっているため、太平洋側と日本海側の分水嶺をなしている。この山脈には、八甲田山?岩手山?蔵王山?磐梯山などの火山が聳え、北にはカルデラ湖の十和田湖、南には火山の爆発によって塞き止められてできた猪苗代湖がある。また、温泉も数多く湧いており、火山や湖、原生林の景色が美しいので、国立公園?国定公園に指定されているところが沢山ある。
奥羽山脈の東側には、北上川や阿武隈川に沿って北上盆地?仙台平野?福島盆地などがあり、西側には、最上川?雄物川その他の川の流域に横手?山形?米沢?会津などの盆地や、津軽?秋田?庄内などの平野がそれぞれ南北に開けている。
北上川は奥羽山脈と北上山地の間を、北から南に流れ、下流部に仙台平野をつくっている、東北で一番長い川である。北上盆地はこの川に沿って南北に細長く開けている。阿武隈川は、奥羽山脈と阿武隈山地の間を、南から北に流れている川である。それに沿って郡山盆地や福島盆地がある。仙台平野は東北で一番広い。
海岸は、日本海側では大きな砂丘が長く続いており、出入りが少なく、太平洋側では三陸海岸の南部は鋸の歯のように、入り江と岬が入り込むリ?ス式海岸となっている。また東北地方の北端にある、下北半島と津軽半島に挟まれた陸奥湾は東北第一の湾である。
気候は、大きく太平洋式気候と日本海式気候とに分けられる。冬の北西季節風は奥羽山脈を越えるときに雪を降らせるので、太平洋側へ来たときは乾いた風になる。そのため、太平洋側は雪が少なく、晴れた日が続いている。日本海側は、冬になるとシベリ?方面から吹き付けてきた冷たい北西の季節風が、雪を降らせるので、北陸に次ぐ深雪地帯である。冬の間は雪に閉じ込められ、農村では冬の仕事が少なくなるので、出稼ぎに行く人が沢山いる。
東北地方には米をはじめ、林業、水産などで、全国的な地位を占める特産物が多い。特に、農業は米作りが中心で、日本の重要な穀倉地帯である。日本海側の庄内、秋田などの平野、太平洋側の仙台平野の米が一番有名である。東北地方では、農業収入の大部分を稲作から得ている農家が多い。稲作以外は、山形盆地や仙台の南のほうでは紅花がつくられ、染物の原料として京都のほうへ送られていた。東北地方にある果物は、リンゴ?桃?梨?葡萄?サクランボなどが各地で作られるようになった。青森県は日本一のリンゴの産地であり、りんごの生産量は日本全国の70%を占めており、サクランボの生産は東北地方が日本全国の90%近くを占めており、山形盆地が生産の中心地である。
東北地方の山地には森林が良く茂り、日本の森林面積のおよそ1/5を占めている。青森県のひば、秋田県の杉、岩手県の赤松が有名で、東北の三大美林といわれている。東北の森林は多くが国有で、国が経営?管理しており、伐採や運搬にも機械が多く用いられる。
東北地方の三陸海岸の沖には、日本海流と呼ばれる暖流が北東に向かって流れ、千島海流と呼ばれる寒流が北から流れてくる。暖流と寒流が出会うところには、魚の餌になるプランクトンが多いので、魚類が豊かである。三陸沖では、暖流に乗ってくる鰹、鮪や、寒流に乗って南下してくる秋刀魚、鮭などの漁業が盛んで、漁期には各地から多くの漁船が集まってくる。青森県の八戸、岩手県の宮古?釜石?大船渡、宮城県の気仙沼?石巻?塩釜などは大漁場になっており、水産加工も行われている。 東北地方では、伝統的な在来工業のほか、釜石の製鉄や秋田の石油精製をはじめ、製材業?食品工業など、地元の資源を利用した工業が発達している。しかし、工業都市はいずれも分散しており、互いの結びつきは弱く、日本全国的に見ると工業生産高はきわめて低い。在来工業は、この地元の原料を利用して、家内工業の技術によって古くから発達し、今も各地に残っている。主な製品には、盛岡の鉄瓶、能代の春慶塗り?青森の津軽塗りなどの漆器、米沢の絹織物、山形県の平清水焼きなどの陶磁器がある。仙台、八戸、秋田などの都市に工業があるが、大きな工業地帯はない。仙台湾地区には石油精製?金属?電線?缶詰?造船?ゴム?印刷?食品?タイヤ?パルプ?電気機器?機械など、いろいろな種類の工場が集まっている。そのほか、自動車工業団地?鉄鋼団地?卸売団地?倉庫団地などが仙台の市街地と港の間にできている。仙台湾地区は、東北地方では最も発達した地区である。秋田湾地区では、天然ガスの産出も多く、石油を利用した火力発電所もつくられ、近代工業が発展する条件に恵まれている。この地区には、石油精製?化学肥料?金属精錬?パルプ?紙などの大きな工場がある。
仙台市は東北地方の文化、政治の中心地となっている。最近では、人口の増加とともに、住宅地が周辺
に広がり、都市化が著しく進んでいる。今日では政府の出先機関が多く、また交通では東京との連絡が便利になったほか、仙台を始発とする特急?急行列車で東北地方の各地と結ばれている。
また、青函トンネルの開通によって、東北地方は北海道と直接つながるようになった。そのほか、各地に空港もある。
東北地方には高い火山や広い高原、美しい湖や海岸が沢山あり、温泉にも恵まれ、多くの観光地がある。この地区には十和田、八幡平、磐梯?日光などの国立公園があって、自然風光に誘われる遊覧客が多く、仙台の松島は日本三景の一つで、そこにある国宝瑞厳寺は最も人目をひき、夏はこんもりと茂る松柏で遊覧客をひき、秋は紅葉に満ち、冬は世にも名の知れた樹氷がその特色を飾るのである。
関東地方
面積:32,423.90km2 全国の約8% 人口:42,430,822人 全国の約30% 人口密度:1,308.63人/km2
東京都、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木、群馬 関東平野 日本一広い平野
東京には 大学192ヶ所がある 小麦の生産 日本一
太平洋側を中心に水揚げ量が多い
臨海型工場地帯が広がり、あらゆる種類の工業が盛んである。 京浜工業地帯 京葉工業地帯 交通発達
関東地方は日本のほぼ中央部に位置している。この地方には東京都、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木、群馬の1都6県がある。面積は全国の約8%にすぎないが、人口は約30%も占め、人口密度も全国平均の3倍をこえる。人口の大部分は東京を中心とする南関東に集中している。
関東地方は日本列島の中央部の太平洋に面した部分を占め、北海道へも、九州へも、およそ1.000キロのところにあって、政治の中心地として適当な位置といえる。関東地方は、昔から中心地だったわけではない。日本は西のほうから開けてきたので、文化や政治の中心地は長い間、奈良や京都など近畿地方に置かれ、関東から北のほうは開発が遅れ、人口密度も低かった。鎌倉時代からその開発が始まり、江戸に幕府が置かれてから急速に開発が進められ、台地の開拓、沼地や海岸の干拓、利根川の治水工事などが行われて、多くの新田が開かれた。明治以後は、東京を中心に積極的に近代化が進められ、産業や人口が集中してきた。それによって関東地方は政治?経済?文化の中心地となった。
関東平野は南北約140キロ、東西約100キロもある日本一広い平野である。しかし、平野といっても台地と低地が入りみだれて、複雑な地形となっている。台地としては、北部に那須野原台地、南部には武蔵野台地?相模原台地、東部に常陸台地?下総台地などがあり、これらの台地は、火山灰からできている関東ローム層という赤土で厚くおおわれており、主に畑地として利用されている。低地は、利根川?荒川?那珂川などの支流の沿岸に広がっており、主に水田に利用されている。関東平野では低地より台地の面積が広いので、耕地の中でも水田より畑のほうが多くなっている。そのため、小麦の生産では日本全国第一の産地になっている。
関東平野の北から西にかけて三国山脈?関東山地が続き、富士火山帯や那須火山帯も交えて、2000メートルを超える山が多い。変化に富んだ地形は美しい風景をつくるので、秩父多摩国立公園?富士箱根伊豆国立公園というような観光?保養地が多い。東京湾を除いて海岸線の出入りは少なく、とくに東部の鹿島浦と九十九里浜、南西部の湘南海岸は、緩い弓なりの砂浜海岸になっている。丘陵の多い房総?三浦半島が突き出て、その南の海上には富士火山帯に属する伊豆諸島や小笠原諸島が続いている。
関東地方は太平洋式気候で、黒潮の影響を受けて、冬は雨が少なく、山地を除いては雪も余り降らない。
夏は全体に蒸し暑く、雨もかなり多い。南ほど暖かく、とくに房総半島南部や相模湾に面する湘南の海岸では、冬も暖かく野菜や花の促成栽培が行われている。冬に日本海側から吹く季節風は、三国山脈を越えると、空風と呼ばれる乾燥した風になって、関東平野へ吹きおろしてくる。この風が強く吹き通るので、多くの農家は家の西と北に屋敷森をめぐらして家や作物を保護する。
東京は日本の政治、経済、文化などの中心地であり、東京を中心に、横浜を含む京浜地方は日本一の工業地帯である。東京には国会、中央官庁、最高裁判所、世界各国の大使館などが置かれ、大会社の本社、大きなデパート、問屋などが集まっている。その他、博物館、美術館、図書館、各種研究所など、水準の高い文化施設が東京にあり、大学だけでも192ヵ所が集まっている。
東京の住宅は年々郊外に広がっている。鉄道の沿線に多くの住宅団地やマンションが建設され、郊外に移る人々が多く、都心の人口の減少が目立ち、いわゆるドーナツ現象が起こってきた。東京の郊外で、鎌倉?藤沢?町田?立川?柏?船橋など多くの衛星都市や住宅団地が発達している。こうして、都心へ1時間半ぐらいで達する範囲は東京の通勤圏に入り、東京と強く結びついた大都市圏をつくっている。また、郊外に延びる鉄道と山手線とが接する新宿?渋谷?池袋などには、地下鉄やバス路線も集まり、都心に似た副都心が発達している。しかし、急激な人口増加に伴って、東京には多くの問題が起きている。住宅難や交通難がとくに深刻である。都心への通勤?通学する人口が多くなり、朝夕のラッシュ?ワーの混雑ぶりは激しい。道路の整備も進められているが、自動車台数の増加に追い付けず、交通麻痺の状態を引き起こし、交通事故も増えている。そのほか、地盤沈下?空気の汚染?水道用水の不足などがあげられる。これらの公害は大都市で生活する人々の深刻な悩みである。
東京都?神奈川県?千葉県西部?埼玉県南部に広がる範囲を京浜工業地帯と呼び、日本一の工業生産額を持つ総合工業地帯である。京浜工業地帯では、鉄鋼などを作る金属工業、自動車や船?電気機械などを作る機械工業、石油化学製品や薬品?肥料などを作る化学工業、いろいろな雑貨や食料品を製造する工業など、あらゆる種類の工業が盛んである。
東京から川崎?横浜にかけて工場が多く、京浜工業地帯の中心で、この辺りには鉄鋼、機械、造船、化学、石油精製などの大工場や火力発電所が立ち並んでいる。横浜、川崎、東京は貿易港で海運が盛んに国内外と往来している。
関東地方の主な水田地帯は、利根川?江戸川?荒川などの川沿いの低地や、九十九里浜?東京湾などの海沿いの平野に集まっている。群馬県や栃木県の水田には二毛作が多く、裏作には麦などが作られている。茨城県や千葉県の水田はほとんどが利根川の下流や湖の畔のような低地に集まって、主に早場米を作っている。大都市に近い農村では近郊農業が発達して、農家は二毛作、三毛作を行い、労力と資本をかけて米のほか、野菜、草花、様々な農産物を作り出し、収穫物をトラックで市場に運んでいる。また、関東北西部の高原では、夏の涼しい気候を利用してキャベツ?レタスなどを栽培して京浜に大量に出荷している。
関東地方の主な漁港は千葉県と神奈川県に集まっている。中でも有名なのは三崎と銚子である。神奈川県の三崎港は三浦半島の先にあり、その沖には鰹や鮪が泳いでくる黒潮が流れ、後には横浜?東京などの大都市が控えている。したがって、魚を捕るにも、捕った魚を売り捌くにも大変都合のよい場所である。そのため、三崎港遠洋漁業の大根拠地になり、とくに鮪の水揚量は多い。銚子の沖は暖流の黒潮と寒流の親潮とぶつかる所で、鰯?秋刀魚?鯖?鮪?鰹など、たくさんの種類の魚がとれる。東京湾の浅瀬では海苔、あさり、蛤の養殖があるが、近年は埋立地が増加したり、工場や都市からの廃水で海が汚されたりして、水産業は非常に衰えた。
関東地方は日本で最も交通の発達した地域である。京浜と阪神とは新幹線によって約三時間で結ばれ、日帰りができる。そのほか、東名高速道路や関越自動車道?東北自動車道も開通した。東京の市街地には、首都高速道路が放射状に通じ、第三京浜国道や京葉道路、新空港自動車道もある。東京から各方面への飛行機、電車、バスも多く、非常に便利である。
関東地方には有名な国立公園や史跡や温泉などがあり、歴史が古く風光明媚なところも多く、中でも日光や箱根や鎌倉などは国際観光地として知られ、観光客が多く訪れている。そのほか、スポーツ施設や近代的な博物館や美術館や劇場などの文化施設が整っている。
中部地方
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